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「第11回あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師及び柔道整復師等の広告に関する検討会」の報告②/岡野 聡

ブリーフィングではこれまでになく活発な質疑が行われました。
主な質疑は以下のとおりです。

ー今回、柔道整復師の施術所の名称に関する議論で告示の内容について取り上げられていたが、告示というのは法律上どのくらい強制力があるものなのか教えてほしい。
「広告に関すところはあはき法では第7条に5項目、柔整師法では第24条に4項目あります。
それぞれの最後の項目に『その他厚生労働大臣が指定する事項』がありこれに相当するのが大臣告示です。
今回議論になっていたのはこの告示の内容でこの中には「整骨」という名称については書かれていません。
一方で、この告示は名称について書かれたものではなく、名称についての告示はない状況なので名称に関する規制は現状ありません。
これまでの議論で70号の告示の一に接骨はあるが整骨はないので名称として使用するのは 駄目なのではないか、という意見がある一方で、名称について書かれているわけではないので整骨院を使用しても良いのではないか、という意見もあり、今回ガイドラインにどう表記 すべきか議論が行われたところです。」

ー今回の議論ではガイドラインに記載しないことになったが、記載しないということは使用してもよいということと同じ、であれば整骨を名称として使用してもよいとガイドラインに記載してはどうか、という意見もあった。そこを明確にするために告示を変えるという話にはならないのか?
「ガイドラインに整骨院について記載しないから整骨院の名称を使用してもよい、というのは少しニュアンスが異なります。
記載しないということは良いとも悪いとも言わないということであり、基本的には自治体に権限があるので、厚労省医事課は技術的助言としてこれからガイドラインを出すわけですが、記載しないということは、今まで通り現場の判断で良いも悪いもあり得るという状況です。
ですので記載しないから整骨院という名称を使用しても良い、となる懸念はもちろんありますけれども、『記載しないということ』イコール『良いということ』ではありません。」

ーQ&Aで整骨院について記載するかどうかという議論があったがそれは今後の検討会に持ち越されるということか?
「すぐにQ&Aを出すかといえばそうではなく、今後現場からの照会などが来ることが想定されるので、そういうものを見つつということにはなるかと思います。
いずれにしましても、いずれは整骨院名称について示すことにはなるかと思います。」

ー広告ガイドラインはいつ出す予定なのか?
「今後パブリックコメントを行うことを考えています。
パブリックコメントの期間をどれぐらい取るか、どれくらい意見がくるかにもよるので明確な時期は申し上げられませんが、検討会を長くやってきてしまったのでこれまでのようにダ ラダラとやることなく、速やかに進めたいと考えています。」

ー検討会は基本的に今回で終わりなのか?
「終わりと言いますか、中間まとめと言いますか、明確に終わりとなった検討会はどの検討会においてもないと思いますが、一旦ガイドラインをまとめたという状況です。
今後必要があれば開く可能性はありますし、または別の場でやるかもしれないのでそこはまだ決まっておりませんけれども、一旦ここでガイドラインをまとめたという状況です。」

ー整骨院の名称に関して、ガイドラインに記載しないで現場の判断に委ねるという話だったが、無免許の人が整骨院という名称で看板を出して開業した場合の取締りはどのようになされるのか?
「無免許の方々に対しては規制が難しいところがあって、たとえば医療法であれば病院、診療所ですと医療提供する機関と紛らわしい名称をつけてはならないというしっかりした法令の条文がありますのでそこで規制はできるのですけれども、あはき柔整にはそれがないので現状、無資格の方が整骨院を名乗ることについての規制はこのあはき柔整師法上ではありません。」

ーたとえば、接骨やほねつぎという名称に関しては取り締まることはできると思うのだが?
「名称に関する規制はありません。資格を持っていない人が柔道整復師を名乗ることは規制されるが施術所の名称、というか告示にある「接骨」や「ほねつぎ」という名称に関する規 制はないので、良いこととは決して思わないですが、あはき柔整師法上での規制とういう形で考えれば、規制はできません。」

ー無免許の業はその看板を出したら処罰される法令があったと思う、それは適用されないのか?
「おそらくあはき柔整師法ではなく景品表示法であったりとか広告に関する一般的な法律のことについて仰ってるのだと思うのですが、そちらで処罰される可能性はあります。ただし、それはあはき柔整の法律ではない、ということです。」

ー広告を出さなければ良いということか?無免許の人が広告出さずに接骨やってます、鍼灸やってます、っていうのはグレーで処罰できないということか?
「今お話ししたのはあくまであはき柔整師法上の話であって、こちらの法律ではそれを規制 する条文がないので出来ないのですが、一般的な法律で無免許の人が嘘をついて行うことに ついては消費者庁の法令なのでこちらでそれは法に触れるかどうかまでは言えないです。」

ー国会の質問があったから整骨院の名称をガイドラインに記載しないことになったのか?
「厚労省としては国会質問があったことを構成員の皆様に紹介したまでで検討会での議論の 末に記載しないことになったということです。」

ーいつ頃ガイドラインは発表するのか?年内、年度内とか目処はないのか?
「これからパブリックコメントを行う予定ですが、かなり意見がくるのではないかと考えています。それらの意見をどのように扱っていくのかを考えるのに時間を要すると想像をしておりまして、現時点で年内目指すとは言い過ぎだとは思いますが少なくとも年度を越えることはしないようにしたいと個人的には思っています。」

ーパブリックコメントはいつ行うのか?
「今回の検討会の議論の様子からすると行うまでにそんなに時間はかからないかとは思いますが、まだ明確には決まってません。」

ー整骨院に関しては記載しないことになったということは、今資料に上がっているガイドライン案をパブコメで出すことになるのか?
「カッコ書きで整骨院に関するところが記されているますがそこを取って修正箇所を修正し て出すこといなると思います」

ー整骨院に関する今後の議論はこの検討会を継続して行うか別の議論の場で検討するかも決 まってないということで良いか?
「すぐに決まるものでもないと思っていて、それぞれの業界団体の考えもあり、今日の議論も平行線だったこともあり、すぐにどうこうという話ではないと思っています。」

ー整骨院を再度議論するのであれば治療院単独での名称使用も検討してほしいという意見があったが、治療院の議論もする場合、整骨院と同じ場で議論するという理解で良いか?
「そこもやるかどうかを含めてという話になるかと思いますけれども、治療院に関しては医療と紛らわしい、というところが前面に出た議論でしたので、そこを整骨院と一緒に語れるかどうかというのはわかりませんが、業界団体から要望があれば我々としては議論の俎上に載せるということはあるかもしれません。」

ー保険適用の医療は接骨院でやってるが鍼灸は保険適用はないのか?
「あはきに関しては一部はやっています。」

ー柔道整復師は保険をよく使うがあはきの方は保険をあまり使わないから治療という言葉は使わない、ということか?
「治療という言葉そのものは医療と紛らわしいということで治療という言葉を使うのであれば業態をつければ紛らわしいことはないのではないかということで、はり治療院とかきゅう治療院とかならば良いですがただの治療院だけはダメですよ、ということになったということです」

ー山田治療院とかそういうのはダメだということか?
「そうですね」

ー今回のガイドラインに関してはweb、インターネットに関しては対象外ということでよろしいか?
「その通りです」

ーweb、インターネットで例外的に広告として取り扱うものはどういったものがあるか?
「簡単にいうと、医療広告ガイドラインと同じでございまして、たとえばバナー広告ですとか、利用者が自ら検索して見にいくようなものではなくて、完全に視覚に入ってくるようなものは広告として扱うというかたちになります。」

ーガイドラインでは整骨は取り扱わないということで決定したということで良いか?
「そうです」

ーその後整骨院をどう管理するかは決まっていない、今後どうするかも決まっていないということか?
「現時点ではそういうことです」

ー法律で整骨院という名称がないので整骨院の名称を使用することは好ましくないとか望ましくないとかそういうニュアンスをガイドラインで表現することも今回の議論でうち消された形になるのか?判断しないとかそういう言葉もなしにただニュートラルに記載しないということか?
「そうですね、ニュートラルです」

ー医事課としてもニュートラル?
「我々としては検討会の議論が全てですので、第9回では整骨は今後認めず、既存の看板は今後タイミングを見計らってかけ替えていく、という経過措置を取るということでまとまりかけました」

ーそれはもうなくなった?完全に?
「はい。それに対して、業界の当事者の団体からそれだと困るという意見出てきたのが前回でして、今回それが覆ったという形です。」

ー手続きとしてはパブコメやって当事者から反対意見がたくさんくるよりかは議論の前半で汲み取れなかったからちょっとぎこちなっかったね、という形だと座長が言っていたがそういうことか?
「パブコメやってというよりは検討会の過程で業界団体から意見が出ていますので検討会としてそれを受け止めてやりましょうということで今日の結論に至ったということです。」

ー第9回の検討会で整骨院という名称を今後取り締まっていこうという方向性だったが今回でその方向性すら否定されたということか?
「名称規制はない状況です。そこで解釈の揺らぎが出て、整骨院はいいのか?とか。たとえば治療院もここには書かれていないわけですよね。ですが現実に使われている名称であっ て、これはいいのではないか、これはダメなのではないか、という解釈の揺れがあって今回 ガイドラインで初めてここで示そうというのが今回の取り組みなので告示にあるから、ないからとかというよりはそこを明確にしていこうというのが今回の趣旨です」

ー逆に明確にならなかったのでは?
「そうです、整骨院については明確にしないということになりました」

ー告示に新たに整骨院について記載してはどうかという意見もあったが、それをせず今後も今まで通りということになったということか?
「そうですね、告示に書き込むということは整骨院名称OKということですのでそこは結論 が出ておりませんので法改正についても結論が出ていないということです」

ー整骨院という名称は使えるが広告として出すことはNGなのか?広告として名称を出す場合は接骨院としなければならないのか?
「名称そのものが広告ですが、外部に対して広告しなければ整骨院でもいいのか?ということでしょうか?開設届に必ず名称を書いて届出ますのでそこと広告する名称とがズレが生じることは好ましくないですね」

ーズレるのは好ましくないが、広告しない、というのは可能か?
「それは自由です。ただし、開設届では必ず名称を届け出るのでその際にその名称が認められるかは現場の判断となります。」

ー開設届を出す際の名称で整骨院を使用することはいいという判断か?それともダメだという判断か?
「そこは今日は結論が出ていない状況です」

ー整骨院が良いかどうかは判断しないということか?
「判断しないというかこのガイドラインには記載しないということで、そこは現場の判断になるということです。今までもそうしてますのでその取り扱いは今日変わっていないということです」

ー現場の判断と言うが、現場というのはどこのことか?
「基本都道府県ですが、都道府県の保健所だったりとか権限委譲されている市町村だったりとか、そういうところです」

ー広告を見てこれはダメです、というのが保健所や市区町村?
「そうです」

ーだとすると市区町村なら行政指導ができるということか?
「医療法のように是正命令という権限があるわけではないので、あくまで任意で従っていただくといった行政指導になってしまうのですけれども」

ーとはいえ行政指導は現場でできるということか?
「そうですね」

ー悪いと書いていないものやガイドラインに書いていないものを行政指導するかどうかは現場に任せるということか?
「あくまで彼らに権限があるものを技術的助言として我々はガイドラインを出していく形になるので最終的な判断は都道府県による、というか現場になるということです」

ーこれまで整骨院の名称を認めてきたことは行政としてやってはいけないことをやってきたということなのか?業界団体の構成員はこれまで整骨院を認めてもらえるよう働きかけてこ なかったことにお詫びを言っていたがお詫びするようなことではなかったのか?
「先ほど徳山構成員(柔整代表)がおっしゃっていたのは基本的には議論を覆すことに対するお詫びなので、整骨を大臣告示に入れてくれとかそういう要望もしてこなかったしということで、行政としては整骨を使える使えないという判断を今まで示していないのでその点については行政が必ずしも悪かったと言えるのかどうかはちょっとわからないです。 今まで整骨がダメと言ってきたわけではないです。ただ現場の判断として、告示に示されていない整骨はダメだとしてきた自治体ももちろんあるでしょうし、特に何もせずに整骨を受 け入れてきた自治体もあるとというような状況もある中で、加護構成員(保健所代表)としてはできないものをやっているという感覚がおありなんだと思います。我々の立場からするといいとも悪いとも示していないので必ず行政が悪かったのか、とか言われるとそんなこと はないんだろうなとは思います。で、日整さんは多分あの議論の中でダメという方向で進んできて彼らはそれに対して反対しなかった第9回で。それを一度飲んでしまったが、それを大臣告示に入れてほしいという活動もしてこなかったし、というようなあたりを自分たちの努力が足りなかった、と表現をしたんだと思います。」

ー無資格の人たちの規制をしましょうという話があったがそれは無くなったのか?
「短いですがガイドラインの最後の方に記載されておりまして、あはき法柔整師法で無資格 者を取り締まることはできないのでガイドライン上ダメだと書くのはなかなか難しいです。 ですので業界全体の自主的な取り組みを促す、と言った弱い表現になりますがそう書きつ つ、こういう広告はダメだよね、という考え方を示してございます。 そこで検討会の御了承は得られたと考えております。

ー接骨は骨をつなぐということで明確だが整骨は骨を整えるはよくわからないので整骨は名称としてふさわしくないのではないか、という流れが検討会の前半だったと思うのだが?
「告示にない、整形外科と紛らわしい、というような意見が検討会の初めの方にあったと思います。医療業界からは整形と整骨が紛らわしいという意見がありましたし、健保練からも 同じような意見が出てたと思います。」

ーただ、間違えることはないだろうと?
「そうですね実害はないであろうと」

ーあはき柔整は施術であって治療ではないという意見が検討会の議論で何度もあったが、医師もあはき柔整をやることはできるが、医師の行うあはき柔整は治療で施術者が行うあはき柔整は施術と、同じことをやってても言葉の使い方は違う、という考え方で良いのか?
「医師が施術所内で鍼灸をやる、というのは想定にないのですが、医師が自分の医学的知識を持って診療所でやるのは医療行為だと思うのです。内容が鍼だったとしても。その場合は 治療という言葉が適切かどうかは分かりませんけど、あはき業界でいう施術とは違うのかな、と思いますれども。」

ーたとえば医療機関で鍼灸師が行なっている鍼は治療なのか施術なのか、その辺はどうか?
「あくまで鍼灸師が施術所を開設してやっているものというのが施術、はり師きゅう師の業、業の範囲でやっていますのでそれは施術と言っていいかと思います」

ー医療機関で鍼灸師が行う鍼灸はどうか?
「あくまではり師きゅう師がやるものは場所がどこであろうと法律の業の範囲内でしかできませんので治療、というか、治療という言葉は非常に微妙で、医療ではないのだと思います。いわゆる医療行為ではないのだと思います。ただ、治療という言葉ははり師きゅう師の方は伝統的に使われていると聞いているので、彼らがやっているのが治療なのか施術なのかを答えるのはちょっと難しいのかな、と」

ーただそれは医師もできることなので、医師がやる場合は医行為ということになる?
「医師がやる場合はそうだと思います。」

ーでも鍼灸師がやる場合は医行為ではない?
「そうですね。その、それぞれが医療的知識を持ってやる場合とそうでない場合と、やってる行為が一緒でも明確に区分がされるのではないかと思うんですけど、それはどういう趣旨 の質問ですか?」

ー治療と施術を区別するようにと言う意見の構成員がいたが、あはき柔整は医師もできるの に言葉の使い方を区別するのは少々不可解と思ったのが質問の趣旨だ。
「法律上、施術所は出てきますけど、施術というよりは彼らがやっているのははり業、きゅ う業、あん摩業、マッサージ業、指圧業で施術行為というのは出てこないと思うのですけれども、前回坂下構成員がおっしゃっておりましたけれども施術という言葉は医師の行う手術 のことだったんだという言葉があったりして、おそらく定義がないんだと思うんですよね。 なので治療という言葉についても医師の言葉に聞こえますけれども、あはき業界からしますと昔から使ってる言葉だったりですとか、言葉にぶれと言いますが定義がないのでちょっと明確には言いづらいのかなあと思いますね。」

ーそのあたり業界団体から議題が上がれば議論の余地が出てくる部分ではあるということか?
「それは名称という部分でしょうか?」

ー治療とか施術の意味のニュアンスの部分
「治療に関しては医療機関と紛らわしいので業態名をつけるということで今回は結論が出て いるのでそこについては決まったものだと認識しております」

ー治療という言葉ははり治療ならいいけど治療という言葉を単独で使うことはあはき柔整はダメってことになったのか?
「全体に全ての言葉について書かれているわけではないのですけれども名称についてはちゃんと業態名をつけなさい、ということになったのでそれに応じてと言いますか」

ーあくまで広告上であって、たとえばお客さんが来た時に「治療しましょうね」っていうのまでを規制するものではなくて、広告上は治療という言葉を使う場合は業態名をつけましょうということで、施術なんてあまり使わないかもしれないが、紛らわしいところは、鍼治療はいいけど治療はダメという感じでいいか?
「そうですね。あくまで広告って施術所の外に誘引目的で出すものなのでそこに治療と出してしまうと医療機関と紛らわしいんじゃないかと。ですので施術所の中で施術する方が 、ちゃんと治療しようね、とかそういうことまで規制してるわけではないので、広告としてあくまでちゃんとしてくださいね、としているということです。」

ー保険が効く施術であっても治療と言ってはいけないんですか?
「保険が効く効かないは広告上区別してないです」

以上、報告です。

岡野 聡(おかの さとし)
鍼灸院を営む個人事業主
独自の視点からあはき療法、業界に関する発信をしています。
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